梅の花

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「…ふぅ…ここらで休憩にする」 「分かりました」 ただいま千秋は芹沢の仕事を手伝っている。 遊郭に行こうとした芹沢を無理矢理連れてきたのだ。 千秋の怖さをある程度知っている他の隊士は、何も言えず芹沢を見送った。 芹沢の腰巾着の一人、新見は苦い顔をしていたが…。 「じゃあ、お茶持ってきますね」 「…あぁ」 千秋は立ち上がると、静かに部屋から出て行った。 この時、芹沢は逃げようかと思ったが、後が怖いので止めた。 その頃の千秋は門の近くを通っていた。 台所に行くには門の近くを通らなければならないのだ。 (今日も何事もなければいいんですけど…) そんな事を思っていると、門前に騒ぎが起きていた。 (今さっき祈ったばかりなのに…) しかたなく千秋は門に近付いていった。
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