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「…梅…」
「芹沢さん…勝手に来てしまってすいません…
どうしても、おはぎを渡したくて…」
持っていた風呂敷から箱を取り出し、蓋を開ける。
そこにはギッシリ詰められた大量のおはぎが…。
(これはいくらなんでも…)
「…作りすぎではないか?」
「…ですよね…すいません
嫌なら食べなくても…」
「…別にそこまで言ってない」
芹沢はおはぎを一つ手に取り、口の中に放り投げる。
「…うまい」
「本当ですか!?」
「確かにこれはおいしいですね~」
(…あれ?)
「沖田先生!?」
千秋の隣ではいつの間にか沖田がおはぎを食べていた。
「あまりに暇だったんでこっちに来たら甘い匂いがするじゃないですか
私も混ぜてもらいました♪」
"暇"だからここに来るのは恐らく沖田だけだろう。
「…沖田先生…
そういえば、お茶を忘れてました
四人分、持ってきますね」
「なら私も手伝います」
千秋と沖田は立ち上がり、部屋から出て行く。
芹沢と梅の空間にはしばしの間、沈黙が続いた…。
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