予兆

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ども山崎です。 いやぁ…トッシーも無理難題な仕事押し付けるなぁ。 柿村に気付かれんよう尾行なんて…。 せやかて俺も優秀な監察なんや。 とりあえず、張ってみたんやけど…。 あの子無茶するなぁ…。 高い木から降りられんようなった子猫を助けようとしたり 町娘にちょっかい出してた酔っ払いを懲らしめたり かかってきた攘夷浪士を半殺しにして吊し上げたり…。 攘夷浪士は後で回収するとして…。 まぁ一人であんなもできるなぁ。 しかも俺の尾行に気付いてないなんて…。 なんや?俺、絶好調? …しかし、目的もなくふらふらしてんのやろか。 珍しく甘味処にも行かず…。 お、呉服屋に入りよった。 しばらくここで様子を見るか…。 …おかしい。 あの店に入って、もう半刻や。 服選ぶのにそんな時間かかるんか!? 柿村が出るとこなんかなかったし、出たの町娘一人やし…。 …町娘? 「やられたーーーー!!!??」 とある呉服屋の前でそんな叫び声が聞こえたとか聞こえなかったとか。
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