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「…ん」
千秋は早く目が覚めた。外を見ると、太陽が上がる前で、まだ若干明るいくらいだ。
―最近、早く起きちゃうな
すっかり目が覚めてしまった千秋は寝る事が出来ない。隊士達を起こそうにもまだ早い。
―道場に行って、素振りでもして来よう
千秋はそっと、皆が寝ている部屋から出た。
道場についた千秋は中を覗いてみる。
―うん、誰もいない
さっそく、胴着に着替える。着替えると、瞑想をし始めた。
目をつぶっていると、人の気配がしてきた。
「…誰ですか?こそこそしてないで、入って来たらどうです?」
千秋は目を開いて扉を見る。
「…よく、気づいたな」
入って来たのは、目が細い無表情な男の人だった。別段に驚いているように見えない。
「人の気配を読みとるのが得意なもので…。僕は柿村千秋です。あなたは?」
千秋は笑顔で言う。
「…三番隊組長の斎藤一だ」
―組長かぁ…組長!?
千秋は驚愕の顔で斎藤を見る。
「…どうした?」
斎藤は無表情にこっちを見る。
「いえ…」
―屯所内で知らない組長ってまだいたんだ
「…時に聞くが…」
「なんでしょう?」
千秋は―後どれくらい組長がいるんだろう―と考えながら答える。
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