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「そろそろ皆を起こさないといけない時間ですね」
千秋は外から差し込んでくる光をみながら言う。
「千秋さん…あの起こし方は止めてください…」
沖田は青ざめながら言う。
「…?何があった?」
「千秋さんの起こし方、過激なんです…
おたまとお鍋を持って、こうやって…」
沖田は叩くマネをする。
「…それは凄いな…」
斎藤は冷や汗をかきながら言う。
「それなら皆さんが早く起きればいいだけじゃないですか」
それじゃ行ってきます。と千秋は道場から出て行こうとしたが、不意に立ち止まり、
「そうそう、沖田先生。昨日はありがとうございました」
千秋は本心から笑って言った。
―ドキッ
千秋は今度こそ本当に出て行った。
―今のは何だだったのでしょう…?
沖田のこの感情の名前と意味を知るのは、少し後の話。
そして、少し後になって、あの音が道場まで響いたのは言うまでもない。
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