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「待て、悪戯が云々といったが「で、何の用なんです?」…」 土方が諦めたようにため息をつく。 「…単刀直入に聞く。お前、女だろう」 沖田が冷や汗をかく。 土方が千秋を見ると、大して驚いた様子を見せる事もなく、相変わらず笑ってる。 「それがどうしましたか?」 「…千秋さん!?」 「否定しないんだな」 「えぇ、もうバレてるの知ってましたから」 「…何故だ?」 土方がジロッと睨む。 ―こいつ本当に隙がないな…。いつもニコニコと笑っていて…よく分かんねぇ奴 「…いるんでしょ?出て来てください」 千秋が天井に向かって言う。 ―カタン…ストッ 天井から誰かが降りてきた。 「…よう分かったな」 「…山崎…お前、聞いてたのか?」 天井にいたのは監察方の山崎だった。近藤や沖田を見ると、突然出て来た山崎に驚いていた。 ―俺や総司にも分からなかったのに… 「まだ、いますね?外に三人…いえ、四人」 千秋は襖を開けて、石を拾い、茂みに3つ、投げた。 「っで!?」 「あだっ!?」 「いたっ!?」 「…お前らなぁ…」 茂みから出て来たのは、声の順に、永倉、原田、藤堂だった。 「この馬鹿!左之のせいでバレただろ!!」 「何おぅ!?それをゆうなら新八が…」 「あ~もう!二人共、こんな時に止めなよ!!…それより、千秋が女だって本当?」
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