女中さんと千秋

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「俺は藤堂平助!」 「僕、柿村千秋です。貴女の名前は?」 千秋はニッコリ笑いながら尋ねる。土方達には向ける事のない笑顔だ。 「私は菊と言います…」 「…お菊ちゃんかぁ…」 藤堂がそう呟く。千秋が藤堂を見ると、藤堂は菊に見とれていた。 千秋はそれを見てクスリ、と笑う。 「な、何だよ、千秋!」 「いえ?別にー?」 すると、もう一人の女中が近付いて来た。 「お菊ー?何やってんの?」 「おみの!えと…これは…」 千秋は『おみの』と呼ばれた女中を見る。こちらはこちらで、菊にはない美しさがある。 「お菊さん?こちらは…?」 「はい、こちらは私の先輩のおみのです。おみの、こっちは…」 「柿村千秋と藤堂平助です。おみのさんはお菊さんの先輩なんですか」 「はい、先輩であり友達でもあります」 おみのは笑顔で返す。 「友達…ですか」 「おみの!…もう…」 菊は顔が少し赤くなっている。千秋が藤堂を見ると、まだ菊に見とれている。 「…じゃあ、そろそろ行きますね。ほら、藤堂先生!しっかりしてください!」 千秋が藤堂を軽く叩くと、藤堂が我に返る。 「あ、えと、じゃね。おみのさんにお菊ちゃん…///」 藤堂は少し顔を赤くして言って、二人は台所から出て行った。
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