千秋の弱点

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「ん?」 原田が千秋の顔を覗いてみたら、千秋は恐怖で引き攣っていた。 「…く…も…が…」 「どうしたんですか!?くせ者ですか!?」 いつもと違う千秋の様子に気付いた沖田は、千秋の顔を自分の方に向ける。 千秋の顔は青ざめていた。 「蜘蛛が…」 「……は?」 「蜘蛛がいたんですーー!!!!!空に浮かんでる雲じゃないですよ!?虫の方の蜘蛛がーーーー!!!!!」 沖田と原田はキョトンとしていた。 ―蜘蛛…? ―あの千秋が蜘蛛を…? 「あ、あの、千秋さん? とりあえず落ち着いてください」 「千秋、お前…蜘蛛、ダメなのか…?」 千秋は原田を睨む。 「ダメです!無理です!!あんなのが何故いるかが疑問です!!!この世から消えて欲しいです!!!!」 原田と沖田はそんな千秋に若干引きながら、千秋を宥める。 「ま、まあまあ落ち着けよ千秋」 「そうですよ、何なら私が退治してきましょうか?」 沖田がそう言うと、千秋が瞳を輝かせ、笑顔になる。 「ありがとうございます!沖田先生!!大好きです!!!」 千秋の爆弾発言に一気に顔を赤くする沖田。 「…沖田先生?顔が赤いですけど、熱ありますか?」 千秋が不思議そうに首を傾げる。 「だ、大丈夫です!行きましょう!千秋さん!」 沖田は赤面して、千秋はそんな沖田を不思議そうに見ながら二人は行ってしまった。 残された原田は、 「あいつら、俺の事忘れてね?」 と、呟いた。
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