おみのさん―前編―

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蜘蛛騒動の次の日 千秋は沖田の付き添いで、甘味屋にいた。 「ここ、この前出来たばかりなんですよ!」 「…はぁ」 此処の甘味屋は先週に出来たばかりで、沖田は出来る前から気になってたらしい… 「それではさっそく…」 沖田の瞳がキランと光った…ような気がした。 店の定員を捕まえる。 「お団子20本と餡蜜5つ、饅頭10個!千秋さんは?」 ―この前より増えた!? 「えっと、じゃあ、お団子5本と饅頭5個で…」 「かしこまりました」 しばらくして、頼んだ甘味が来る。 「うん!おいしいです!」 沖田は人目を気にせず、饅頭をどんどん口に入れる。 「そ、そうですね……」 千秋もとりあえず、団子を食べはじめる。 「あらぁ、沖田さんに千秋ちゃんじゃないの」 千秋と沖田は声が発せられた方へ顔を向ける。 「「おみのさん!」」 「どうも」 おみのは、千秋の隣に座る。そして、きたばかりの甘味を全て食べた沖田を見て、 「…そういえば、土方副長が沖田さんを探してましたわ」 「え?そうなんですか?…何の用だろ?」 「さぁ、私にも…急ぎの用らしいですわ」 「そうですか。じゃ、私はもう行きますが…千秋さんはゆっくりどうぞ」 沖田は残念そうな顔をし て、千秋の分のお金も払い、店を出た。
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