おみのさん―前編―

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「ここらでいいですかね」 千秋は周囲の気配を探りなから言う。 「何人くらいいるかしら?…七人、いや、八人?」 おみのも周囲を探る。 「…十人くらいはいるんじゃないですか?」 「結構多いわね…いける?」 「誰に言ってるんですか?ご自分に聞いてるんですか?」 千秋は刀は抜かずに構える。 「…あんたに決まってるでしょ?…刀は?」 おみのはどこからかクナイを取り出す。 「使いません。人は殺したくありませんから」 「何を甘いことを…」 おみのが言い終わる前に、 「そろそろ出て来てはどうですか!?」 千秋が周囲に呼び掛ける。それに合わせ、竹やぶから男が十人出て来る。 「久しぶりだなぁ…」 その中のリーダーらしき人物が千秋を睨む。 「!!…あなたは!?」 千秋の目が見開く。 「何?知ってる人?」 おみのが油断なく千秋に問い掛ける。
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