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千秋とおみのが屯所に着くと、沖田が出迎える。
「千秋さん!大変で…す……」
慌ていた沖田はおみのの顔を見て、一瞬青ざめる。
「…どうしたんですか?」
千秋が首を傾げて尋ねる。
「それじゃ、千秋さん。私はもう行くわね」
おみのが千秋に断って、行ってしまった。
「…何か用ですか?」
「…千秋さんはおみのさんと親しいのですか?」
沖田はいつもの笑顔に戻って尋ねる。
「親しい…う~ん…親しいんでしょうか…でも、仲がいいと言う訳では…」
千秋は悩みながら言い、
「だからと言って、嫌いな訳でも……他人以上、親友未満、みたいな?」
そう、笑顔で沖田に返す。
「そうですか…」
「それより、用があったのでは?」
「…いえ、やっぱりいいです」
沖田はニッコリ笑う。
―言わない方がいい…
おみのさんが…
長州の間者かもしれない事を…
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