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―どうしよう…本当の事を話すべきか…
縁側で一人、悩んでいる沖田。
―千秋さんは少なからず、おみのさんと親しい関係になってる…
そんな沖田に近付いたのは悩みの種の千秋。
「総司さん?一人で悩み事ですかぁ?」
しかし、沖田は気付いていない様子。
千秋は少し首を傾げる。その側を通った、土方。
「柿村、総司。何やってんだ?」
「あ、土方…」
「呼び捨てにするな。副長をつけろ」
土方が睨みをきかせるが、そんなのお構いなしの千秋は、
「沖田先生の様子がおかしいんです。呼んでも反応しないし…。僕、何かしましたかね」
「…はぁ。たくっ、しょうがねぇな」
土方はそう言うと、自分の部屋から何かを持って来た。
「おい!総司!おめぇの好きな菓子だ!」
土方は沖田の目の前でそれ―お菓子をぶらぶら振る。すると、
―ヒュッ
お菓子が土方の手から消える。
「「…え?」」
千秋と土方が同時に声を出す。そして、二人の視線は沖田に注がれる。
「…あれ?二人共いたんですか?」
沖田は土方が持っていたお菓子を食べながら、今気付いたかのように言う。
「「…………」」
二人は呆れたように呆然とする。そして、先に我が返った土方が、
「…お前なぁ…まだ例の件で悩んでたのか?」
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