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沖田の肩がピクッと震える。
「例の件…?何ですか?それ」
千秋が興味を示す。
「あぁ?お前、総司から聞いてないのか?」
土方が片方の眉を上げて、沖田を見る。
「総司、柿村にも話しとけっつったろ?」
そして、千秋の方を見ながら話そうとするが、沖田に阻まれる。
「土方さん!その話は土方さんの部屋にしません?千秋さんは、甘味屋にいってお団子を買ってきてください」
そう言うと、千秋の手にお金を握らせ、土方を連れて、行ってしまった。
「…………」
残された千秋は、眉を寄せたが、お団子を買いに行った。
「……土方さん、この事は千秋さんに言わない方がいいかもしれません」
土方の部屋で沖田はそう言った。
「…柿村も間者の可能性があるのか?」
「!違います!…千秋さんとおみのさんは仲が良いんです。だから…」
「おみのを暗殺する事を言ったら、邪魔をするかもしれねぇってか?」
土方が沖田を睨む。
「いえ、そういう訳では…」
「じゃあ、何なんだ?」
「……あの人は女子です。武士ではないんです。仲の親しい者の死を事前に知り、しかも、それを黙っているのは辛いんじゃないかと……」
沖田は控えめに、しかし、はっきりと言う。
「…何、あめぇ事を「土方副長」」
土方が言い終わる前に、誰かが遮る。
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