おみのさん―後編―

4/14

3777人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
沖田の肩がピクッと震える。 「例の件…?何ですか?それ」 千秋が興味を示す。 「あぁ?お前、総司から聞いてないのか?」 土方が片方の眉を上げて、沖田を見る。 「総司、柿村にも話しとけっつったろ?」 そして、千秋の方を見ながら話そうとするが、沖田に阻まれる。 「土方さん!その話は土方さんの部屋にしません?千秋さんは、甘味屋にいってお団子を買ってきてください」 そう言うと、千秋の手にお金を握らせ、土方を連れて、行ってしまった。 「…………」 残された千秋は、眉を寄せたが、お団子を買いに行った。 「……土方さん、この事は千秋さんに言わない方がいいかもしれません」 土方の部屋で沖田はそう言った。 「…柿村も間者の可能性があるのか?」 「!違います!…千秋さんとおみのさんは仲が良いんです。だから…」 「おみのを暗殺する事を言ったら、邪魔をするかもしれねぇってか?」 土方が沖田を睨む。 「いえ、そういう訳では…」 「じゃあ、何なんだ?」 「……あの人は女子です。武士ではないんです。仲の親しい者の死を事前に知り、しかも、それを黙っているのは辛いんじゃないかと……」 沖田は控えめに、しかし、はっきりと言う。 「…何、あめぇ事を「土方副長」」 土方が言い終わる前に、誰かが遮る。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3777人が本棚に入れています
本棚に追加