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―頭が痛い…寝てないせいかなぁ…?
前髪をくしゃっとさせる。
その時、
「…千秋さん?いますか?」
沖田の声がした。千秋はビクッと肩を振るわせるが、
―落ち着け。今、私は気配を消してるんだ。気付く訳ない
千秋はそう思い、冷静になる。
「…ここじゃないのかなぁ?」
沖田がそう言ったのを聞いて、ホッとする。しかし、
―…ガラッ
襖が開いた、と同時に光が入って来る。
「…見付けましたよ、千秋さん♪」
いつもの笑顔の沖田がいた。
「…どうして、分かったんですか?…気配は消してたはずなんですが…」
千秋は眩しい光に目を細める。
「勘です♪」
「…そうですか…」
千秋は沖田に向けていた顔を戻す。
「…千秋さん…」
「総司さん、分かってるんでしょう?…私がおみのさんを殺した事」
「……」
沖田の顔が強張る。
「いいんです、これで」
千秋は沖田に愛想笑いを向け、立ち上がる。
そして、沖田と目を合わせず、部屋から出て行った。
「…いいわけないでしょう?千秋さん」
千秋が出て行った襖を見て、沖田は呟いた。
千秋が宛てもなく歩いていると、誰かに話しかけられる。
「「「千秋!」」」
千秋が振り向くと、そこにいたのは、原田、藤堂、永倉だった。
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