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「……集まったか?」
土方は集まった人達の顔を見渡す。
「全員知ってると思うが、おみのの事だ」
それを聞いた藤堂は眉を寄せ、千秋を見る。
視線に気付いた千秋がニコッと笑う。それを見て、思わず目を逸らす。
―だいたい、なんで千秋までいるんだよ…
藤堂は心の中で悪態をつく。
「実は、おみのは間者だった」
千秋と永倉、沖田以外の全員がそれを聞いた途端に騒がしくなる。もちろん、藤堂も例外ではない。
―何だよ…それ…嘘だろ…?
そこで、ハッとして千秋を見る。
―まさか…この事を知ってたのか…!?
千秋は表情を崩さずに事の成り行きを見守っている。
「…静かにしろ!組長ともあろう者共がこれくらいで騒ぐんじゃねぇ!」
土方の怒鳴り声に一気に静かになる。
「だから、粛正した。おみのを斬ったのは、沖田と永倉だ」
皆の視線が沖田と永倉に注がれる。
しかし、二人は物おじせず黙ってる。
そして、また騒がしくなる。
「静かにしろっつってんだろ!…この事は平隊士には言うなよ。…話は終わりだ、解散しろ」
それを聞いた各組長が立ち上がる。藤堂も立ち上がるが、
「沖田と永倉、原田、藤堂、斎藤、それから柿村!お前らは残れ」
と言う、土方の言葉に座り直す。
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