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即行で自室にもどる。
必要最低限の物を幾つか鞄に詰め込み、着ている服も出来るだけ質素な物に着替え、僕は自室を後にする。
勿論、誰にも見つからないようにね。
ガイルが目立って家出したので、城の者達の目が其方に向いている今のうちに、僕はこっそり家を出る事にした。
とはいえ今の騒ぎの中、城門から脱出するのは難しいだろう。
だから僕は、城の地下へ向かう。
「ん。ここだね」
隠れながら辿り着いたのは、地下のワインセラー。
途中持ってきた、小さな燭台のろうに火を点け、奥へ進む。
「た し か ……この辺に………」
一番奥のワイン棚を調べると、棚の横に隠れるようにあるレバーを発見する。
僕はそのレバーを下げる。
すると、棚は横にスライドした。
棚が元あった場所には壁がなく、レンガ作りの通路が現れる。
僕はその先へと進む。
暗く細い通路を少し歩くと、小さな部屋に出る。
灯りは部屋の四方にある、光魔法が宿った青白く光るオーブ(宝玉)が四つ、室内を照らしている。
その中央には10mと少し大きめな黒い魔法陣が、白石の台に刻まれていた。
これは、脱出用の魔法陣だ。
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