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「っ………!」
暫くしてちびっ子は、留まっていた草から飛び立とうとした蝶を捕まえることに成功したのか、座り込んで両手の中を覗き込んでいる。
蝶を見たことないのかな?
「…………あ!」
まさかの事に僕はちびっ子のもとへ走り出す。
捕まえた蝶を潰さないように器用につまみ上げたちびっ子は、何故か臭いを嗅いだ後、徐(おもむろ)に口の中へ――――
「――っストップ!!」
――――入れる事が出来なかった。
ちびっ子の腕を掴んだ僕のおかげで。
ちびっ子は僕にいきなり腕を掴まれて驚きに摘んでいた蝶を逃がしてしまい、飛んで行ってしまった後も僕を見て固まったままだった。
「蝶々は食べ物じゃありません!」
常識と言うか…それ以前の事を言う羽目になろうとは…。
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