拾い者

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      まぁそんな事はおいといて、とりあえず掴んでいたちびっ子の腕を放す。 ついつい止めてしまったけど、僕の見ていないところでなら、虫を食おうがカエルを食おうが知ったこっちゃない。 つまり、目の前で繰り広げられる筈だったおぞましい光景を未然に防げたことにより、ちびっ子に用はなくなったという事だ。 「それじゃ…」 ちびっ子の身長に合わせて地面に膝をついていた僕は立ち上がり、背を向けて歩き始める。 確か此方の地方には村が二つあった筈(2ヶ月ほど前に地図をパラ見した程度なのでうろ覚え)、とりあえず今晩の宿を探さなくちゃね。 え?ちびっ子はって? 今の僕は追われる身。 そんな危険に巻き込むわけにはいかないよっ! …………(多分)大丈夫でしょ。 ほら、虫食べて生きてる野生児だしさ。 なんて言うんだったかな…えーと……あ!ターザン!? とにかく、今の僕はターザンに構ってられるほど、暇じゃないんだよ。 僕は足早にその場を立ち去った。      
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