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ようやく見つけた宿屋に入ると、勿論ちびっ子もついてくる。
僕は出来るだけ彼女を見ない様にしながら、受付のオバサンに声をかける。
「すみません。一晩泊まりたいのですが…」
「おや、兄妹で長旅かい?」
「………違います」
見て気付こうよ!
顔似てないでしょうが!!
てか、このちびっ子…僕の服掴んで放さないんだけど。
「んん?違うのかい?」
「はい。この村へくる途中の、廃れた村で会いました。それからずっと着いてくるんで困ってるんですよ」
宿屋のオバサンは、驚いたように目を見開く。
「あの村!?あそこは今や魔獣が住み着いてるんだ。そんな所に、こんなちっさい子供が居るわけないよ!」
魔獣?
「魔獣なんて見ませんでしたけど…」
「は?……可笑しいねぇ。ついこの間も旅人があの辺りで襲われたばかりなのに…」
「…どんな、魔獣ですか?」
「確か、アンダーウルフだったかねぇ」
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