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正直面倒だけど、一応説明しとくね?
今、鬱陶しいくらいの笑顔を振りまくコイツは、ガイル。
ガイル・ラグ・レグナシア。
ラグ王家の第一王子なんだけど、正直、バカ。
バカなんて言うと、そんなんで大丈夫かと思われるかもしれないが、天真爛漫な性格のためか、国民からの人気は高いんだよね。
僕よりも背が高くて均整のとれた身体。
艶のある黒髪に、顔も整っているのでモテる。
まぁモテるモテないはともかく、男らしい外見は正直羨ましい。
「お前、怒られるよ?お祖父様に」
「あん?知るかっての。何代前かの因縁なんて関係ねーし」
そう、実はラグ王家とシグ王家は何代か前から仲が悪い。
詳しくはわからないが、何でもその当時のシグ王(王はそれぞれの生家の名で呼び合い、二人でレグナシア王となる)が、ラグ王が目を付けていたメイドと恋仲になったとか、シグ王が楽しみにしていたプリンをラグ王が食べてしまったとか、とりあえずどれが本当かわからないくらい多い。
そんなどうでもいい因縁が何故か続いてしまっているのだが、現国王(親父達)が案外仲が良いので、僕達もよく話す。
しかし、先代シグ王(僕のお祖父様ね)は未だにラグ王家を毛嫌いしており、話してるのを見られるとお祖父様に怒られてしまう。
だから大抵は城の外で会うんだけど。
「お祖父様に怒られるの嫌だから、部屋に帰っていい?」
「あ!思い出した思い出した!用あったわ!」
「あったの?何」
「おう!あのさ、………………城出ない?」
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