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泣き出したガイルをなんとか宥めて、コイツが思いついたことを聞き出せたのは、30分経ってからだった。
「正直さ…ズビッ、…俺王位継ぐとかよく考えてなくてよ。ホントは自由でいたいわけ」
「ふーん」
「でも妹は居ても男俺だけだしさ、後継者の代わりとかいねーし?そこは諦めるしかないじゃん?」
「そうだね」
「だからさ、ちょっと旅に出てくるわ」
「そう………」
…………………?
今なんて言った?
もう一度聞くと、ガイルはサラリと答えた。
「旅だって。自分探しの!まぁ、いつになるかはわかんねーけどちゃんと戻ってくっからさ」
「………」
………え?今なんて!?
「ガイル。聞こえなかった」
「お前がそう言うって事は聞こえたんだな!」
…はい。聞こえてました。
でもちょっと待て。
「いつになるか分からないって…、お前の成人の儀は二ヶ月後だろう?あと学校はどうするんだよ」
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