家出の方法

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      「大丈夫だって!お前が誰にも言わなきゃさ」 満面の笑顔が腹立つ。 「今からラグ王にチクりに行ってやる」 「うっわ止めろって!!抜け出す前に監禁されたら意味ないだろ!?」 「僕が言わなかったら国中総出の大捜索になっちゃうじゃん」 「確かにそうだけど……だからティアも一緒に…」 「やだって」 「じゃあ帰ってきたら良いもんやるから!」 良いもの? 「………何を?新刊の魔導書?それとも、お前の家の料理長のスイーツ?」 「えーと、俺が作った歌?」 「いらね」 「おやつのクッキー…」 「えー…」 「ラグ王家門外不出の禁魔導書……」 「しょうがないなー」 禁魔導書って言ったら、それぞれの王以外その在処を知らない魔導書じゃん。 王子だからって良いいのかそれで。 三度の飯より魔導書が好きな僕は、とりあえず頷いた。      
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