第一章

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さわやかな春の日差しが降り注ぐ中…… 1人の少女が額に汗を浮かべながら走っていた。 「……やばいっ!遅刻する!!」 彼女の名前は 宮崎 結衣 (みやざき ゆい)。 どこにでもいるような普通の高校2年生だ。 乱雑に結ばれた二つ縛りの髪を振り乱して、どこかに向かってる。 「新学期早々なんでこんなことになるのよ!!」 辺りにはもう人っ子一人いない。 美しく咲き乱れた花や草木が結衣を見てまるで笑っているかのようだった。 「ハァハァ、ハァ……。絶対先生に怒られる……」 立派な建物の前に着いた時、時計は9時を過ぎていた。
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