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「それじゃ、作戦を言うぞ。まず、森に入ったら一直線で御神木へ向かう。そこが探検の基地だ。そこを基地にして、だんだん外側へ探検の範囲を広げていく。森の中は迷いやすいから3人全員で行動。特に和馬!」
光太朗はいきなりビシッと人差し指を僕へ向ける。
「え、僕?」
「お前は村でこの上ないヘタレだからな。途中で逃げ出すんじゃないぞ」
「ヘタレって言うか、単にやる気ないだけなんだけど……」
「それをヘタレって言うんだよ、バカ!」
光太朗が力説するが、何か違う気がする。
「ま、ヘタレな和馬は放っておくとして。それでは、未明けの森探検隊、出発進行!」
「レッツゴー!」
「……ゴー……」
元気良く、空に向かって大きく腕を挙げる光太朗と真衣ちゃん。その脇で僕はワンテンポ遅らせてほんのちょっとだけ腕を挙げた。
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