2人が本棚に入れています
本棚に追加
未明の森に入る僕たち。光太朗、真衣ちゃん、僕の順で御神木へ向かって歩いていく。
久しぶりに入った未明の森は、年齢のせいなのか、昔よりは恐怖感は薄れたような気がする。でも、どこまで行っても似たような木が続くという風景は全く変わっていなかった。
1時間半くらい歩いてようやく御神木の所へたどり着いた。
「さあ、今日から一週間くらいかけて森の西側を制覇するぞ!」
元気良く声を上げる光太朗に僕がおずおずと話しかける。
「あ、あのさ……、もうお昼近いけど、ご飯ってどうするの?僕持ってきてないんだけど……」
「何バカなこと言ってんだよ。そもそも、探検っていうのはな…………」
僕がお昼のことを聞くと、なぜか光太朗は探検の極意についてベラベラと語り出した。10分もすると真衣ちゃんもあくびをしはじめた。
「…………というわけだから、探検に弁当は不要!わかったか!?」
20分ぐらいずっと喋り倒した光太朗が話を締めくくる。
「……うん」
この状況で頷く以外に脱する方法はなかった。また口答えすると、また長い間喋られるのがオチだった。
最初のコメントを投稿しよう!