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2時間ほど歩いていたが、御神木からはあまり離れていなかったようで、20分も歩けば御神木にたどり着いていた。
僕は真衣ちゃんを御神木に寄りかかるように座らせた。
「う~ん」
光太朗は御神木を見上げながら何か考えている。
「そういえば、誰だったの?木の上にいた女の子。名前くらいならわかってるでしょ?」
「ああ、それがな……」
僕の質問に光太朗はとても答えづらそうな顔をする。
「似たようなヤツの心当たりが全然ないんだよ」
「え……?」
光太朗は僕以上に小学校に通っている子のことを知っている。キライな食べ物とかプライベートなことに関しては先生以上かもしれない。それだから、小学校の子の顔と名前は全員一致していると思っていた。
それが、光太朗でさえ知らない謎の女の子……。僕はなぜか恐怖を感じた。いや、つい最近引っ越してきた子が冒険がてらにここで遊んでいるのかもしれない。僕はそう考えて落ち着くことにした。そうやって何かを信じていないとすぐにでも恐怖におびえてしまいそうだった。
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