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「大丈夫、でもこのままじゃ家に入れないだろう」
「はい」
私は覚悟を決めて車から降りた。
「美月、男遊びの次は朝帰りかそれも、昨日の男と一緒に」
「・・・・」
「昨日の話の続きをしようぜ、昨日は頭に血が昇ってたから悪かったよ。あんなに殴るつもりはなかったんだ。」
そう言って私の顔に手を伸ばして来た。
私は後ずさりした。
「悪いのは私だからこれくらい何てことない。私の気持ちは昨日話したとおり変わらないからだから別れて」
「本気で言っているのか」
「本気だよ。もう、優也と一緒にいても何も感じないの」
「美月」
「先輩、車の中で待っていて下さい。」
「けど」
「大丈夫です。優也と二人きりで話をさせて」
「わかった。何かあったらすぐに来るから」
「ありがとう」
そう言って拓実は車へと戻っていった。
「美月、何も感じないってどういう事だ」
「言葉どおりだよ。簡単に言えば飽きたの。優との付き合いに疲れたの、私が夜バイトしているのもあるかもしれないけど、逢えばいつも体を求めてくるし、男友達と話してるだけで私を責めるし、それだけならまだしも相手を傷つける、付き合い始めた頃は優しかったのに、長くなるにつれて束縛がひどくなってきた。こんなんじゃ私が私じゃなくなってしまう。だから、もうあなたとは終わりにしたいの」
また殴られるかもしれないと思ったけど言わずにはいられなかった。
優也は私の話を黙って聞いていたがその手は震えていた。
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