第二章

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あれから数日が経った。 休み時間に大学ではめずらしく構内放送がかかった。 「2年英文科の白川美月さん、至急、学長室まで来てください。」 その頃、私は美和と食事をするために食堂に向かっているところだった。 「美月、今の放送あんたのことだよね」 「そうだよね、学長室って言ってなかったっけ」 「言ってた。」 「何だろう」 私は急いで学長室に行った。 トントン 「白川です」 「入りなさい」 「失礼します」 部屋に入るとソファーに男の人が座っていた。 「白川くんはバレー部の主将だったね」 「はい」 「去年は出来たばかりだというのにインカレベスト4という成績を残してくれてたね」 「はい」 「バレー部のコーチを募集したらすごい人が名乗りをあげてくれてね」 「はい?」 話が長い用件を早く言ってほしい。 「つまりバレー部に少しの間だけなんだがコーチが就くことになったんだよ。こちらが風間くんだ」 風間ってもしかして、私はソファーに座ってる男の人を見た。 「全日本代表の風間選手だよ。びっくりだろう」 「はい」 「美月、久しぶり」 「君達知り合いなのかね?」 「彼女とは幼なじみなんです。」 「そうだったのか」 「彼女は元全日本代表候補なんですよ」 「昔の事だよ。」 「何はともあれよろしく頼むよ」 私たちは学長室を後にした。
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