第二章

4/57
前へ
/148ページ
次へ
えっ 「私?冗談でしょう。無理だよ。翔が良く知ってるでしょう。私が2年前全日本に入れなかった理由」 「知ってるよ、でもうわさで治ったって聞いたよ」 「今のところは、治ってるけど、前みたいには無理だよ。」 「俺がコーチしてやるから」 「・・・・」 「去年のインカレの試合見たよ。辞めたはずのお前が出てたから、驚いたよ」 「確かに、バレーは続けてるけど、今は楽しくやれればいい」 「本当にそう思ってるのか?」 「・・・何でもお見通しって訳ね。」 「当たり前だ、あれだけ、頑張ってたお前知ってるし、いつかって気持ちがあるから肩治したんだろう」 「それはそうだけど、そんな簡単なことじゃないよ」 「まずは、インカレで優勝だ」 「う・・・ん」 「今日から早速鍛えてやるよ」 「お手柔らかに、私はいいとしても、他のみんなは厳しい練習には慣れてないと思うから」 「了解」 「正直なところ、コーチが来てくれる事は嬉しいよ。今は私が全メニュー作って教えながらの練習だから、限界があって」 「そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。正直、お前の反応見るのが怖かったから、元彼がコーチに来たりするのはイヤなんじゃないかと思ってたから」 「嫌も何も学校が決めたことだから」 「そうだな、それにしても昔と変わらないな、その厳しい口調」 「そうかな、まあ、人間ってそんなに変われるもんじゃないからね」 「ところであいつとまだ付き合ってるのか」 「今、別れ話の最中、なかなか別れてくれなくて」 「もしかして、お前の顔のあざは別れ話が原因か」 「よく解ったね。もう解らないはずだけど」 「解るよ。」 私は手鏡を出して顔を見た。 「本当はこんな顔で学校にはきたくないんだけど、そう言う訳にもいかなくて」 「大丈夫なのか?」 「うん、守ってくれる人がいるから」
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

918人が本棚に入れています
本棚に追加