第二章

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「そいつの事好きなのか?」 「うん。片思いだけど」 「だよな、でも、まだ俺にもチャンスあるかな」 翔がボソボソと何か言った。 「何」 「何でも、こっちのこと」 「でも、ちょっと、ホッとしてるんだ。」 「どうして」 「翔とまたこんな風に話が出来るなんて思っていなかったから」 「俺もだよ、今日練習終わってから予定ある?」 「うん、バイトがある」 「バイト?」 「うん、一週間のスケジュールだいたい決まってて、」 「そっか」 「何かあるの?」 「久しぶりに健太やヨッシーとかと飯にでもと思ったんだけど、」 「懐かしい、元気にしてるの」 「相変わらず、喧嘩ばかりだけど二人とも元気だよ。よく、美月に逢いたいって言ってるよ」 「そうなんだ。明日じゃダメかな、明日だったら休みとるから」 「了解、でも大丈夫か?急に休むとか言ったらバイト先に迷惑かかるんじゃないか?来週でもいいよ」 「翔はやっぱり大人だね、そういうところ変わってない」 「そんなとこないよ。それに大人ってのもいろいろ大変なんだぞ」 「そうなんだ」 「そろそろ戻るか。」 「うん、丁度いい時間だ」 私は立ち上がった。 「美月、背伸びた?」 「少しね、今188センチかな」 「高いハイヒールなんか履かれたら追い抜かれるかも」 「そうかも、でも、翔と歩いてるとちょっと安心するかも、私より背の高い人ってあまり居ないから」 「確かにかなり目立つもんな」 「うん」 私たちが立ち上がると隣に居た人の視線を感じた。 それから、店を出て学校へと戻った。
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