第二章

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その頃拓実は、美月の事が気になって仕方がなかった。 後悔していた。 あの時、告白された時に本当の気持ちを伝えるべきだった。 翔の出現で拓実と美月に新たな波乱が待っていた。 私は学校に戻り部室でトレーナーとジャージに着替えて準備をした。 体育館では後輩たちがネットなどの準備をしていた。 「美月、お昼居なかったね」 「うん、休講だったから」 「そっか」 「そろそろ始めようか」 私は体育館に行った。 隣のコートではバスケ部の子達が柔軟していた。 翔を呼んだ。 ざわめきが起こった。 バスケ部の子達も驚いているみたいだ。 「集合」 ざわざわとしていた。 「静かにして」 みんなが騒ぐのも無理はなかった。 「今日から少しの間、バレー部をコーチしてくださることになった風間さんです。紹介しなくてもみんな知ってるよね。彼は私の高校の先輩なの、私も高校時代教えてもらってた。正直今までの練習の2倍は厳しくなると思うけどインカレ優勝のためにみんなで頑張ろうね」 「はい」 「風間です。よろしく」 『よろしくお願いします』 「じゃあ、今日は今してる練習をいつもどおりしてみて」 「はい」 私たちはランニングから柔軟をしてパスをすることにした。 「美和、今日は多岐とパスしてくれる」 「了解」 「コーチ、パスの相手してもらっていいですか?」 「パスの前にちょっといいか」 「はい」 私はコーチの横に座って選手の名前ポジションなどを教えた。 このとき近くで先輩が見ているとは思いもよらなかった。
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