第二章

7/57
前へ
/148ページ
次へ
一通りのことは伝えた。 「練習内容は高校のときの応用だな」 「うん、コーチや監督がいないとどうしてもパターンが決まってくるんだよね」 「仕方ないな、何はともあれ話していてもみんなの実力はわからないから、一通りの流れが終わったら試合形式でやるかな。それに今日は助っ人呼んでるから」 「助っ人?」 「1時間もすれば着くと思うから」 「誰?」 「内緒、来てからのお楽しみ」 「教えてくれてもいいじゃない」 私は高校の時と同じようにじゃれあっていま。 「じゃあ、俺達もパスしようか」 「はい」 その頃バスケ部の方では先に来ていた子たちが騒いでいた。 「バレー部にいるあの男の人って」 「全日本の風間選手だよね」 「やっぱりそうよね。」 「何でいるの」 「何でだろう、見た感じバレーの指導してるよね。」 「うん」 「後で、美月さんに聞いてみよう」 「あゆみ、あの人知ってるのか」 「えーっ、先輩もしかして、知らないの」 「俺はバスケ以外興味ないから」 「あの人は、バレーの全日本選手でエースアタッカーの風間さんですよ」 「ふーん。全日本の選手なんだ」 「あの人、美月さんの知り合いなのかなあ、今日二人で仲良さそうに出掛けるの見たんだ。」 「えーっ、本当にでもあの二人絵になるよね。美男美女だもんね」 「お前らいつまで話してるんだ。今日は外走って来い」 「えーっ、外ですか?」 「そうだ」 「はーーい」 くそ、何でこんなにムカつくんだ。 拓実はイライラしていた。 私は翔と一緒にパスをした。久しぶりに受けた翔のスパイクは重たかった。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

918人が本棚に入れています
本棚に追加