第二章

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やっぱり翔は上手い、全日本の選手に上手いとか失礼かもしれないけど・・・ 「美月、シートするぞ、2分で笛吹いてくれ」 「はい」 シート練習はいつもしているけど今日はいつもと違った。 みんなも気合が入ってる。 コーチが入るだけでこんなにも変わるんだ。私は楽しくて仕方なかった。 シート練習が終わって入り口の方を見てみると2人の男の人が立っているのが見えた。 目が合った。 「美月ちゃん」 呼び声が聞こえた。 翔と同期の新田直哉選手とセッターの崎山浩介選手だった。 私は思わず駆け寄った。 「直哉さん、浩介さん」 「久しぶり」 「私のこと覚えてくれたんですか」 「もちろん」 私は翔を見た。翔が頷いた。 「集合」 私はみんなを集めた。 「今日は彼たちを助っ人に来てもらったから、今から試合形式で練習するから、レギュラーチームと俺たち3人と・・美月残りの3人決めてくれ、出来るだけみんな交代で入れるように」 「はい」 「直、浩介ウォーミングアップしててくれ」 「了解」 「みんなはその間アタック打ってて」 「はい」 みんなそれぞれにボールを持ってアタック練習が始まった。 トスに合わせてジャンプした。 ズドンッ 10分ぐらいアタックを打った。 「5分経ったら始めるから」 「美月、ちょっと」 「はい」 私は翔に呼ばれて体育館の外に連れて行かれた。 「美月、さっきのアタック高校の時より威力落ちたんじゃないのか?」 一瞬、ドキッとした。 「確かにピークの時に比べれば落ちてると思う」 「肩の調子悪いのか」 「そんなことはないと思う」 「じゃあ、思いっきり打ってみろ、お前の実力はあんなものじゃないだろう」 「・・・・」 痛いところつかれた。
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