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「だよな、スパイク力があそこまで落ちてるとは思わなかったから」
「けどさ彼女肩壊してたんだろう。加山監督が言ってたの聞いたんだけど、再起不可能だって、才能が有りすぎるからだって、お前と付き合ってた頃腕動かすことすら無理かもって」
「その話本当か」
「お前知らなかったのか」
「初めて聞いた。リハビリすれば良くなるって」
「お前に心配かけたくなかったんだろうな」
「それにあの頃の俺には美月を思いやる余裕なかったから」
「美月ちゃんは再発恐れてわざと抑えてたんだろう」
「ああ」
「ちょっと心配だな、あんなパワーで打ち続けたらまた壊れるかもな」
「‥‥‥」
美月何でそんな大事な事俺に言わなかったんだ。
「コーチ、2セット目始めます。」
「わかった、美月」
「はい」
「さっきは言い過ぎた。肩大丈夫か」
翔が肩に触れた。
「大丈夫。私が間違ってた。本当に好きならとことんやらないとね」
さっきまでの美月の表情とはまったく別人だった。翔は複雑な気持ちで美月を見つめていた。
試合結果は惨敗だった。
この日はこれで練習は終了した。
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