第一章

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「体力無いって、先輩が有り過ぎるんだよ。これでも、女子の中で一番体力あるんだけど」 「じゃあ、5分休憩」 「はーい」 私は顔を洗いに行った。 「美月」 同じサークルの早紀に声かけられた。 「早紀」 「しごかれてるねー」 「毎度の事ながらきついよ。いつも思うんだけど、何で私ばかりしごかれるのー」 「それだけ、美月に期待してるってことよ」 「期待って、バスケはあまり上手くないんだけどなあ」 「マジで言ってるの?女子の中では美月が一番上手いよ。それに美月は素質があるってみんな言ってたよ」 「冗談でしょう。もともと私はバスケよりバレーがメインなんだけど」 「それは美月の意見、先輩はバスケしている美月が好きなんだよ。というよりスポーツしている美月かなあ・・・運動している姿キラキラしてるって言ってたの聞いたことあるよ」 「先輩が」 「うん、だから弱音なんて吐かずにがんばんな」 「うん、わかった」 私は、急いで体育館に戻った。 普段は時間にルーズな先輩なんだけど、練習のときは厳しい 「美月、遅い、いつまで休んでるんだ」 「は、はい、すみません」 鬼コーチ・・・ 私は心の中で呟いた。 それから厳しい練習が延々と続いた。
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