第一章

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20時半過ぎに練習が終わった。 正直、立ち上がるのもきつかった。けど、今からバイトがある。急いでシャワー室に入り汗を流した。 体育館を出るとみんなが集まっていた。 「お疲れさまでした。」 「美月、おつかれ」 「一平、おつかれさま」 「今からバイトか」 「うん」 「がんばれよ」 「サンキュー」 「美月、おつかれ、」 「拓先輩、お疲れ様でした。」 「今日の練習も疲れたな」 「うん、でも楽しかったよ。体動かすの好きだから」 「バスケが好きだからじゃねえのか」 「まあ、バスケも好きだけど、やっぱり私はバレーが一番だし」 「そっか、残念だな、俺はバスケしてるお前好きなんだけどな」 ドキッ 先輩そんなことサラッと言わないでよ。期待してしまうよ。 「よし、帰るぞ、急がないとバイト間に合わなくなるぞ」 「はい、先輩は電車ですか?」 「ああ」 「じゃあ、乗っていきますか?車で来てるんです。」 「ラッキー、なあ、車、俺運転していいか?」 「いいよ。」 「サンキュー、前からお前の車運転してみたかったんだ」 「早紀も美也も乗っていきなよ。通り道だから送ってくよ」 「いいの。」 「うん」 早紀たちと駐車場に向かった。 「それにしても美月の車っていつ見てもかっこいいよね」 「でしょう。気に入ってるんだ」 「俺の車と交換しようぜ」 「ダメですよ。私のお気に入りなんですから」 「ちえっ」 それから二人を送り届け先輩の家に向かった。 「21時20分には着くな」 「うん」 「いつもの時間に迎えにいくから」 「はい、わかりました。」 先輩と運転を代わるため車を降りた。 その時 クラッ あ、一瞬目の前が真っ暗になってその場に座り込んだ。 「美月、どうした。大丈夫か?」 先輩の顔が私の顔の前にあった。 「はい、大丈夫です。すみません」 「本当に大丈夫か?」 「大丈夫です。また、後で、」 私は急いで車に乗り込み家へと帰った。
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