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3限目。数Ⅱ
「こないだの授業では確か導関数の宿題出してたよな、続きからいくぞー」
しまった、と言った顔で沙羅は亜紀を見て言った。
「亜紀…宿題なんか出てたっけ?」
「ちょっと、数Ⅱ昨日あったのに言われたの覚えてないの?」
「だって寝ててんもん」
「バカ…」
「そこ、観月と巽。何コソコソ話してるんだ?余程自信があると見たから前出て答え書け。」
「亜紀ぃ…」
「やって来なかった沙羅が悪いんだから。私は知らないわよ。」
「見捨てんとってぇやぁ、ほんまごめんて。」
前に出ようと2人は立ち上がったが、先生の指示はまるで無視状態で堂々と会話を続ける。
「…もう分かった。お前ら次の休み時間職員室に来い。」
「「…はい」」
お互いに顔を見合わせて深くため息をついた。
そんなこんなで3限目は終了し、呼び出された2人は説教を受けた上に担任からも放課後呼び出される羽目になってしまった。
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