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チャイムと同時に朝のHRが始まる。
「今日の主な連絡は、今月の25日に検診があること…だけだな!あとは好きにしてていいぞ。」
゙ザワザヷ
担任の合図とともに騒がしくなる教室。
早速寝る人もいれば、授業の準備を始める人もいる。
沙羅は亜希としゃべるのがいつものパターンだ。
「で?今朝は何人?」
「ん…5人…?」
「凄いねって言うかなんで疑問系なの?」
「なんか、付き添いなんか本人なんかわからんくらい人おって…」
「要するに居すぎて分からなかったわけね?」
「うん。しょみ分からんかったわ。」
「毎日は辛いよねー。んで、下駄箱は大丈夫だった…ワケなさそうね。」
「当たり前やん…手紙入ってへんかったらうちいつもよりまだ明るくおれるわ。」
「やっぱり…総数は?」
「鞄見てみ、数えたかったら数えたらええで。」
「………。」
膨れ上がった鞄を見た亜希は黙って、それに手を触れなかった。
告白もあれば手紙も膨大なわけで、最初は靴箱を開けると1、2通程度入っていて可愛いものだったが、沙羅の存在を知る人が増える度に5、6通からついには靴箱が閉まらなくなるようにまでなってしまったのだ。
「ヤバい…亜希。うちやっぱ帰ってええかな?」「ダーメッ!受験なんだよ?なめてんの?」
「…じゃあせめて放課後までに帰らせ「ダメ。」」
「………はひ。」
放課後になれば、告白する子達が朝より数人増えて、沙羅の帰りが遅くなる。いつもの放課後のパターンだ。
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