日常

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1限目。古典 「この文中に作者の感想が組み込まれてますが、抜き出して下さい。観月さん?」 「作者じゃないのでうちには分かりませーん。」 「…沙羅、」 「だって分からんねんもん…」 古典は沙羅の苦手教科の一つ…もとい、体育と英語以外は全て苦手だった。 「…じゃあ、巽さん?」 「27ページの6行目です。」 「そうですね、ありがとう。それで、この文のキーンコーンカーンコーン…♪」 「先生ー、授業終わったでー。はよ帰ってなぁ。」 「沙羅ぁ、またそんな事言う。」 「はい起立、さようなら。」 先生はそれだけ言うと教室を出て行ってしまった。 「沙羅、最悪。」 「授業終わったのに続けようとするのが悪い。」 「…はいはい。」 沙羅が先生に適当な上悪態を付くのはいつものことだった。
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