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とりあえず自己紹介をすることに。
「ゴホン……俺はアレクだ」
勇者の自己紹介に、桃色の髪の女の子が答える。
……よく見ると、あほ毛がある。
「あたしはニコだよ。それでこっちが~……」
「ミーシャ、にゃ」
もさもさした蒼髪を揺らし、名乗ってくれた。
「ニコとミーシャね。 よろしく」
「よろしくね。… …で? どうしてここにいるの?」
「魔王様の所に行かなかったのにゃ?」
その質問もごもっともだ。
俺がここに来る意味がわからないのだろう。
「わかった。ここ来た理由と一緒に全部説明するよ」
そうして、勇者と魔王の壮絶な?戦いが語られる。
………………。
「…………へ―、魔王様と互角以上なんてアレクお兄ちゃん、すごいね~」
ニコは跳ねながら、誉めてくれた。
「でも、尻尾を狙うにゃんて勇者も非道だにゃ~」
「いや、それは足下にあったからというか……」
手短に攻撃場所があったからだった。
「……じゃあ、なんで私の尻尾、掴んだの?」
「そ―だよね。ど~して?」
2人がずいっと勇者に詰め寄ると
「え―と、魔が差したというか……気がついたら掴んでいたというか……」
しどろもどろになりながら、答える勇者。
「ん―…つまり……、お兄ちゃんはミーシャに一目惚れした……ってこと?」
「にゃあっ!?」
「ち、ちがっ…!」
証言からニコの推理が炸裂した。
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