勇者の長い1日

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              気を取り直し、勇者はエレベーターに向かい歩きだす。 コツ、コツ… ぷに、ぷに… アレクが歩く度に、ミーシャの胸が押し付けられる。 ミーシャの体は、スレンダーなのに、出るところはしっかり出ていた。 コツ…コツ… ぷに…ぷに… ゆっくり歩いても変わらなかった…。 「ど~したの、お兄ちゃん?顔が赤いよ?」 「風邪でも引いたのかにゃ?」 「え? いや、そういう訳じゃないよ……」 勇者が困惑しながら否定すると 「あやし~」 「怪しいにゃ」 「怪しくないって!」 ヤケクソ気味の勇者にさらなる試練が… 「白状した方が身のためにゃ~」 ミーシャは首に回した腕を絞めていく。 「ぐっ……」 それと同時に胸が押し付けられていく。 勇者、生殺し状態。 「降参するにゃ」 「お兄ちゃん、降参する?」 「………………っ! 降参、降参する!」 ミーシャの腕がすっと弛まると、勇者も同時にホッとする。 「……でぇ~?」 「速く言うにゃ」 勇者はため息をつき、男が一度は経験してみたいことに遭遇したことを説明し始める。 「じ、実は………」 … ……          
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