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※ ※
「……遅いですね…」
「…………。」
魔王様は答えない。
「…魔王様?」
「…………。」
すると急にぷるぷると震えだし
「遅い! あやつ、何をもたもたしておるのだ!? ………はっ! まさか……」
「ま、魔王様?」
魔王様、妄想モード
「まさか……弱っているミーシャを見て………あ、あんなことや、こんなことを……」
顔を赤らめながら、書物から得た情報をフラッシュバックさせる。
「………うっ! ……我には刺激が強すぎる……」
が、いかんせん、魔王様はうぶだった。
「し、しかし……書物には、愛し合う者どうしが行うと書かれていたな。
な、なら、心配は無用……」
そこで魔王様はハッとなる。
しかし……初対面だった我にもあやつは甘言を吐き、あまつさえ……キキキ、キスまでしてきた。
それは、まあ……特別に! 許してやる。
だが……ミーシャに我と同じことをしてみろ……。
ふ、ふふふ…消し炭では済まさんぞ。
「……ふふふ……」
「魔王様、大丈夫ですか!?」
メイド、主が心配になる。
そうして、魔王様の妄想が終わる頃
エレベーターが動き出した。
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