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「くっ、うぅ~~」
彼女が悔しげに唸っている間に近いていく。
そうして、目の前にある翼をそっと触ってみた。
「っ!?」
彼女の翼には感触があるようで、急に触れられたことでピクッと震えた。
「あ…、気持ちいい」
例えるなら干したての布団みたいだ。
軽く感動しながら弄りだす。
「……って、こら!何を…」
リュネが何か言っている気がするがお構いなし。
アレクは童心に返ったような瞳で、羽を引っ張ったり、撫でてみたり……。
一方、そんなことをされているリュネはむずがゆいような、くすぐったいような感触が伝わってきていた。
「あっ、くっ…こら、いい加減に……!」
交差させている翼に力を込めていき…
「……ん?」
アレクが不穏な空気に気づいた時には、もう遅かった。
「しろ―――!!!」
思いっきり翼を広げ、弾き出す。
「うわあぁあ―――………」
勇者と言えども、不意打ちには対応できず吹き飛んだ。
…
……
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