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まだ俺は五歳だった。
でもあの頃の事は今でもよく覚えている。
今から遡ること10数年程前、
事の発端は公歴A-04年の3月、
中東をはじめ世界各地の油田が枯渇していき、ついで石炭、天然ガスも世界から姿を消しことによる、世界経済の変動。
お陰で、世界が乱れ始めたのも無理はない。
その2年後のA-06年、
次第に世界各地で紛争、暴動が多発し始める。
翌年の07年4月
みかねた旧世界連邦は事態の収拾をすべく、
その年にアメリカで就航を発表した大型起動要塞‘アトラス’を筆頭に大規模な掃討作戦を決行、
2ヶ月で全体の約6割の鎮圧に成功する。
そして同年、あの日、初雪が降った十二月の始め…
確か夜の2時位だっただろうか…
日本で暴動が起きていた街を中心に三つの都市が、一夜にして地図上から姿を消したのだ。
この事件で、鎮圧作戦に参加していた日本中央政府軍を含め、反連邦勢力、一般市民を含む述べ 3千万人が虐殺されたが、
その後結局真相は解明されず、事件は闇へと葬り去られた。
だが、今でもこの事件は皆の中に深く根付いている。
“朱雪の夜”と、
語り継がれて…
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