萎雲

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「…じゃぁ何が望みですか…?」 そんな事…決まってるだろ? 分かってるのに…何で俺に聞くんだよ…? 「今まで通り側に居て?…愛してるから」 本当に愛してるんだ 嘘偽り無い…本心なんだよ 分かって? 「まだ死にたくありませんから…さようなら」 フェンス越しに絡んでいた指が離される さようならなんて嘘でも聞きたくない言葉 「サスム!!」 俺の声が聞こえないのか、ゆっくり遠ざかり始めるサスムの背中 「サスム!」 何度呼んでも振り返らないサスムとの距離は、気持ちの距離の様 振り返らないと分かっていても…サスムの名前を叫ぶしか俺には出来なかった
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