遅雲

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それでも自分で手放した物だから、僕が落ち込むなんてお門違い なんとか歩いて、木々の茂る空き地へと足を向けた フェンスと木の間に作ったダンボールの家 「ポンナム?」 中を覗きながら、声を掛ければ元気な姿が飛び出してくる 「お腹空いた?ご飯ですよ」 コンビニで買った猫餌を開ければ、待ちきれないのか足に絡みついてくる 「待って、今あげるから」 無邪気な子猫 僕もポンナムの様に無邪気になれたら…どんなに幸せでしょうね…? 「ポンナム、美味しい?」 食事に集中してるポンナムの背中は…温かい 温かくて…初めて見つけた時は思わず泣いてしまった
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