序章 小さな魔術師

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  いったい、どこから湧いてくるのだろうか。 亜獣たちは日に日に数を増していき、村のすぐ近くでも目撃されるようになった。 もはや、村の外へ薪をとりに出かけるのもままならず、人びとは不安と恐怖と夜の闇に怯え、毎日を過ごした。 時折、クロトの街からガーディアンエンジェルスの討伐隊が来てくれたものの、そんな時にかぎって亜獣たちは姿をあらわさないものである。 討伐隊のメンバーは村をあげての晩餐に舌鼓を打ち、いい骨休めだったと言い残して引き上げていく。 森の奥へと遠ざかる背中を、ラヴィーン村の人たちは失意の底で見送った。  
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