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ペンション朝比奈
夜の小話劇場
――地下のいけす
「……暇やな」
「確かに暇ね」
将幸と渚はいけすの脇に座りながら頬杖をついていた。
「宿泊客は?」
「すでに全滅……ノーゲストね」
「そか……で、親は?」
「……さぁ、多分エレベーターの修理じゃない?」
「俺ん時も落ちたでな……また落としたんか?」
「みたいね……次からはエレベータートラップも考えものねって言ってたわ」
「そりゃそうやな」
「……」
「……」
「あ! そういえば」
「なんや?」
「スズメバチ……あれも後始末大変でママは嫌みたい」
「後始末って言うよりハチその物が扱い大変やろ」
「ママ……虫嫌いだしね」
「スズメバチに関しては虫の好き嫌い以前の問題の気がするんやが」
「そうとも言えるわね」
「……」
「……」
「てゆうかさ、誰が料理してるん?」
「……料理の鉄人の道○さん」
「嘘!? まぢ?」
「……嘘」
「……」
「……」
「なら食材の調達は?」
「黄泉の国で自家栽培」
「また嘘やろ?」
「これは本当」
「ふ~ん」
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