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翌朝
「ありがとうございました。お気をつけて」
最後の客を送り出した大和はポストから新聞を取り館内へ戻っていった。
「これで皆さんチェックアウトしたわね」
「あぁ。戸締まりをして出掛ける準備をするか」
地下の事務所前で話をしている2人の会話を車庫で聞いている人物こそが昨夜、渚が目撃した人影であり新聞の連続強盗殺人犯でもある江川であった。
(あとはこいつらだけか…)
逃げるにも金がいるし通報される訳にもいかない江川は慎重に事を運ぶ為のシュミレーションを頭で何度も繰り返した。
車庫に干してあったタオルを顔に頭と顔に巻きつけ顔を隠しゆっくりと扉を開けた。
半開きの事務所の扉から中を伺うと詩織が1人で準備をしている。
(女1人か…)
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