第2話 崩壊

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詩織だけなのをチャンスと判断した江川は中へ駆け込んだ。突然の事に詩織は驚き固まってしまい江川にあっさりと拘束されてしまった。 「金を出せ!」 詩織の喉元に包丁を突きつけ脅したてる江川。 「……」 詩織は恐怖で言葉にならなかった。 「出さないと殺すぞ!」 尚もまくしたてるが詩織は言葉を発しない。時間的な焦りから江川は詩織の腰の辺りに包丁を突き刺した。 「ん…がぁ!」 突然の激痛に声にすらならない呻き声をあげる詩織。 (ヤバい!) たいして大きな声ではなかったが焦りを感じている江川に危機感を持たせるには効果は十二分にあった。 グサッ! グサッ!グサッ!グサッ! グサッ!グサッ! 何度となく突き刺される激痛に詩織は意識を失い崩れ落ちた。それ故に腰回りを滅多差しにした最後の一突きが詩織の心臓を背中から貫いた。
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